伝説の女・番外
補強という名の心の贅肉 セイバー編
疲労は極限に達す。
筋肉は悲鳴をあげ、神経は軋轢をきたす。
嗚咽は終わらず、狂気は永続する。
……なんだって、俺がこんなに疲れなきゃならないんだ。
全ては登校時に端を発する。
どうやら野球好きだと判明した遠坂が、しばらく封印していたその伝説の腕前を野球部の前で披露したからもうたいへん。野球部のエースである後藤くんはショックで塞ぎこみ、主将である柴田くんはなんとか遠坂獲得のためにあれやこれやの手を尽くしていた。
……よし。あらすじ終わり。
なんかもう、今日に限ってどいつもこいつも野球野球やきう! その執着心やら欲望やらときた日にゃあ、関係ない人間なぞ鎧袖一触にございます。
――なるほど、野球のボールの縫い目が煩悩と同じ108つなのは、底のない野球道に落ちたモノたちを比喩した実にうまい表現だったんだな。
でも、家に帰れば野球のことを話すような人間はいないしな。藤ねえも遠坂も今日はうちに来れるほど余裕があるワケじゃなさそうだし。セイバーは言うに及ばず、桜も一度として野球の話を振ってきた覚えはない。
「ただいまー」
がらがら。
扉を開けると、俺が帰って来る気配を予め察していたのか、どこか気恥ずかしく俯いているセイバーが出迎えてくれていた。
「シロウ、おかえり」
「う……?」
そういう言い方されると、なんか新婚夫婦みたいで困るな……。
いやいや、俺には遠坂という心に決めたあかいあくまが――と、いくら真実でも言っちゃいけないことがあるぜ。この身は半分くらい遠坂に"ギアス"かけられてる感じだから、逆らうと心的圧迫(罪悪感)がひどい。
ともあれ――セイバーの様子がちょっとおかしい。
「……どうしたんだセイバー? おなか空いて待ちきれなくなったのか?」
「…………」
む。セイバーが食に関してつっこまれても反論せん。
こういうときは、気分が良いか悪いか二者択一だ。むしろ、俺の返答によってふらふらしていた運命の天秤がどっちかに傾倒するといっても過言ではない。
「シロウ」
「……うん?」
なにやら、とても期待に満ちた目を向けられている気がする。シロウならきっと私の疑問に答えてくれる、貴方なら解ってくれると思っていたー、なんて想いがひしひしと伝わって来る。
……で、セイバーらしからぬ夢見る少女の瞳で、彼女は問う。
「『らいおんず』とは、一体どのような目的で召集された集団なのですか?」
「……ん?」
思わず「マンションのことか?」などと口走ってしまいそうになる。あと「ライ○ンズクラブ」っていう団体もあったっけ。
でも、ウケるウケないにかかわらずセイバー意味わかんねえだろうし。だいたいこんな渇いた声で言っても嘘をついてるのがバレバレだいっ。
……あーくそ。そうだよなあ、あんだけ藤ねえが家で虎スの補強がどうこう言ってりゃあ疑問も沸くだろうし、パリーグの試合は日中やってるのが多いらしいから、偶然セイバーの目に入ってもおかしくはない。
逆に、よくここまでセイバーが気付かなかったもんだと思う。
「……シロウ? どうかしたのですか?」
「あー、なんでもない。それからライオンの人たちの話だが、それは夕食のときにしよう」
「はあ。シロウがそういうのなら従うだけですが」
とは言いながら、明らかに失望しているのが見て取れる。セイバーはあんまり目に見える失望や嫌悪を表さないもんなんだが、今日の落胆ぶりはかなり際立っている。
まあ、早いうちに説明しなきゃいけないとは思うが……まさかセイバーまでとは。偶然って重なるものなんだなあ。
夕食を作っているときに桜が来た。
桜は遠坂や藤ねえがいないことで何やらガッツポーズをしているらしかった。理由はよくわからん。
「――野球、ですか?」
ちょっと気になって、キャベツを気合で切りながら桜に聞いてみる。まさかとは思うが、偶然というのは重なるものだ。こう偶然が何度も連結すると、あたかも必然であるような気がしてくる。
「まあ、興味があるかないかでいいんだ。好きなら好きで、嫌いなら嫌いでいいんだけどさ。……これからの傾向と対策も考えなきゃなんないし」
「はい?」
「いやこっちの話」
桜はフライパンに手を掛けながら、しばし俯く。本当に嫌いなのかな。まさか口に出すのもイヤってほどじゃないだろうけど……。
――と。
「……ごめんなさい。わたし、あんまり野球は詳しくないんです」
「いや、別に謝るところじゃないぞ。たださ、藤ねえが虎ファンでセイバーはパリーグの方に興味持っちゃったし、遠坂は野球に関して譲れないものを持ってるみたいだし。
これで桜がジャイアンツのファンだったら大変だったろうなあ、とか思っただけだから。知らないならいいんだ、気にしないでくれ」
だったら安心だ。これで桜が名乗り出たりしたら、藤ねえと血で血を洗う泥仕合が繰り広げられるところだった――
「……て、なんで包丁持ったまま突っ立ってるんだ?」
「そそそそ、そうですね。巨人だったら大変ですよね、いろいろと……」
ははは、なんて渇いた笑みを浮かべる桜。その笑顔はなんていうか、俺んちで見せるものとは違うツクリモノの様相を呈していた。
調理をしている最中、セイバーは居間に黙って鎮座しており、テレビをつけてチャンネルを変えては首を傾げていた。普段は情報源が新聞しかないセイバーが、そうしてブラウン管に魅入っている姿はやけに新鮮だ。
……いや、真実から目を逸らしてはいけない。セイバーは例のライオンズの勇姿を見たいと思っているのだ。しかし、新聞は読んでもスポーツ欄とテレビ欄だけは興味がないのか全く見ていないので、どのチャンネルで何を放映しているのか全然わかってないのだ。
教師である藤ねえとはえらい違いである。ヤツはスポーツ欄(特に野球のみ)とテレビ欄しか見ねえ。またそれが藤ねえの味でもあるんだが。
……関係ないけど、藤ねえからは『女教師』という言葉が連想できねえ。漢字変換しても『除去牛』ぐらいだろうか(失礼)。
「――できたぞー」
コロッケと千切りキャベツを運ぶ。珍しくセイバーは料理の方を見ずに、民放のバラエティを眺めては顔をしかめている。
「……おーい、セイバー」
「……シロウ」
その声が悲壮感に満ちたものだと悟り、魔術師としての感覚が蘇る。セイバーはただ真摯な表情で、ただ俺の方は絶対に振り向かずに言う。
「何故『らいおんず』は私の前に現れてはくれないのですか」
「いや何故って言われても」
「所詮は叶わない願い、届かないしゃいにんぐ・すたーということですか。私のような自身を省みないものに与えられる恩恵など、高が知れているということなのですかいただきます」
「う……いただきます」
「いただきます」
どこか釈然としない面持ちで、怒りをぶちまけるかのごとくに箸を進める。……はえー。あんまりものに当たるの良くないぞ。
仕方ないので、近頃修理したビデオデッキの回復具合を確かめるとともに、セイバーの機嫌を直すとしよう。
ちょっと前の試合になるが、西武獅子ズと読売巨人ツの日本シリーズ。セリーグとパリーグを制した両軍が、一年の集大成をぶつける10月の大イベントだ。
雷画の爺さんに頼まれて録画しといたのだが、未だに取りに来ないのはどういうことだろう。藤ねえも持って行きやしねえし。だいたい、あの爺さんって虎ズに傾倒してたんじゃなかったか?
数十年前の優勝のおりには、道頓堀の川に飛び込んだとか、カーネル・サン○ース人形を川に突き落とすお手伝いをしたとかいう逸話が残ってたりもする雷画の爺さん。
……まあいいや。追求してもきっと答えは出まい。
「シロウ。どいてください。爆笑○題が見えません」
……詳しいなセイバー。まあでも、ビデオを見れば少し気が紛れるだろう。
うぃん。とスムーズにデッキがビデオを取り込んでいく。ちょっと機械音がうるさいが、これがDVDなら俺も手の付けようがないので、稼動するだけも僥倖と見るべきか。
ぽち。再生する。
「――む。サクラ、シロウは何をしているのですか」
「たぶん先輩はですね、セイバーさんに獅子ズの試合を見せてあげようとしてるんですよ」
「――シロウなら、解ってくれると思っていた」
……現金だなセイバー。
画面が切り替わり、数年前のCMが時を越えて流れる。あまりに懐かしすぎて、何の宣伝をしてるんだか全くわからない。
セイバーはCMそのものを知らない上に興味もないらしく、なかなか目的の獅子ズを閲覧できない苦悩に満ち満ちていた。思わず箸を進める手も止まっている。
「シロウ。これは試練なのですか」
「違うからちょっとぐらい待てって。そう睨まないでコロッケなんかうまい具合に揚がってて美味しいぞ?」
「それは知っていますシロウ。今はそういう話をしているのではありません」
今日に限って押しの強いセイバー。視線だけでガンドのごとく人を呪い殺せてしまいそうだ。
……と、そうこうしているうちに目的の番組が始まった。
「っ!?」
セイバーの神域にさえ達する直感が、日本シリーズの始まる一瞬手前、『ウソ広告紛らわしい!』というキメ台詞の瞬間にセイバーを振り向かせた。
やがて、歓声とともに過去の興奮がブラウン管ごしに伝わって来る。
「――彼らが、獅子をその力の源とし、最上かつ唯一の覇者として崇め奉る戦闘集団……『西武獅子ズ』なのですね……」
ごくり。なんて生唾を飲み込むセイバーさん。
いやそれは激しく違うと思うぞ。なんとなく、客の応援とかアナウンサーの興奮具合からすれば、『戦闘』と呼んでもあながち的外れじゃないかも知れないけどさ。
桜はあえて何も言わない。ただ沈黙してシジミ汁をすする。
「あのなセイバー。まず初めに言っておくが、これは純然たるスポーツなんだ。殺し合いなんてもってのほかなんだぞ?」
ていうか法律違反だぞ? 社会的な人間がそれをやっちゃうと、公園で吐き続けたり性質の悪い先輩の家に泊まらされたり責任を取らなくちゃならなかったりするんだぞ?
やたら狼狽する俺に、セイバーはなかば呆れ顔で問うてくる。
「……シロウは、私にヤキュウと呼ばれる競技の知識がないとでも思っているのですか?」
「え、違うの?」
「だとしたら余計な気遣いは必要ございません。
私は日中にテレビを閲覧した際に西武という組織の存在を知りましたが、彼らが身を置く社会構造――点を取らなければ取られる、投げなければ打たれる、という過酷な世界に身をやつしていることは、わずかな対戦時間でも知りうることができました」
……はあ。ひとによって解釈はいろいろあるらしい。でも、野球を戦闘だって表現するのはセイバーが最初で最後だろうなあ。
「それに、この競技はクリケットと酷似している。大本さえ変化していなければ、枠組みの理解は容易です」
む。なんかセイバーが無い胸を張っている。
たしか、クリケットっていうのは、野球のもとになったスポーツだったっけ。イングランド発祥の。
……そういや、セイバーもバッティングの心得は理解していたようだし、あんまり心配するような話でもないのかも。
「そっか。なら、あんまり口出しするのはやめる。なんか気になることがあったら、俺にできる範囲で説明するから」
「了解です、シロウ」
セイバーは画面に神経を集中する。
それでも箸を動かす手を止めないのはさすがと言うべきか、行儀が悪いので注意すべきなのかどうか。
食い入るように画面を見詰めるセイバー。思えば、食事のこと以外で彼女がこんなに真剣になったのは、本当に久しぶりな気がする。
「……セイバーさん、楽しそうですね」
「だな。あいつも家で瞑想したり素振りしたりするだけじゃやっぱり暇だろうし。そろそろ人並みの趣味に手を伸ばしてもいい頃合なんだ」
いつまでも、自分の過ちを糾すためだけに、この時代に留まってほしくない。
なんとなくしんみりして、しかし温かい気持ちにもなってシジミ汁を啜ろうとしたとき。
「なっ……!!」
がたがたっ!
「!?」
テーブルが動く。セイバーが驚愕に唇を震わせて立ち上がる。それでも箸と茶碗を下ろさないのはさすが、というかえらい食い意地はってるみたいだから落ち着けセイバー。
「あー、びっくりしたー……」
あやうくシジミ汁をテーブルの上にぶちまけてしまうところだった。セイバーはぷるぷる震えたまま『きっ!』と俺を睨みつける。
……ちょっと待て。俺は一片たりとも悪くないぞ。
「どした……? らいおんずのくせにライオンが出場してないからか?」
「違います! なぜ彼は、己の武具を力強く振るうこともなく敵の弾丸を優しく愛でるように接触させ、戦場の上に転がすのですか!」
「ごめん意味わからない」
「先輩。セイバーさんはきっとバントのことを言ってるんだと思います」
「……ああ、そーいうこと」
セイバーの解釈で説明されると、戦争の話にしか聞こえない。やっぱり組織間の紛争かなんかだと勘違いしてんじゃないのか……?
「シロウ! 説明してくれなければ困ります!」
「うん、俺も困るから箸と茶碗を持ったまま仁王立ちして見下ろすのはやめてくれ」
ふしゅるー。
鼻息の荒いまま勢いよく座るセイバー。カタチの上では落ち着いたところで、試合の展開を確認する。
口論してる最中に話が進み、えーと、2回の表1アウト・ランナー二塁か。カメラがペンチに座って笑っている、いまんとこ犠打(バント)の世界記録を持ってる当時は巨人に在籍していたカワイさんを映してるってことは――やっぱりバントか。
「セイバー。あれは別に戦う気がないんじゃなくてな」
「どこがですか。およそ彼には覇気というものが感じられません。巨人の意志を背負うものならば、武具を振るいこそすれ敵の弾丸を甘んじて受け入れるとは何事ですか」
セイバーさんはえらくご立腹だ。
「うん。確かにカワイさんはどこかの芸人みたいな顔してて元気がないように見えるかもしんないけど、それとこれとは話が別だ。
いいか、バントっていうのは、自分を犠牲にして走者を一塁から二塁へ、二塁から三塁へ、時には本塁へと還すための立派な作戦なんだ」
「3回アウトになったら敵の攻撃に交代になりますから、多用するのも禁物ですけどね。それに、バッターなんですから思い切り打ちたい気持ちもあるでしょうけど、大量得点より一点を争う試合のときは、誰かに涙を呑んでもらって、ランナーを先に進めることも必要なんですよ」
上層部の判断です、なんて桜はやけに詳しいことを言う。桜、野球は詳しくないんじゃなかったろーか。
「――誰かを犠牲にして、全体を活かす……」
「犠牲、ていうんじゃないんだけどな。まあ犠打とは言うんだけど」
「……それが、私の過ちということですか。シロウ」
「いやだから意味わかんないって」
……バントをしなかったこととか? でもクリケットにバントなんてあったっけ?
「なるほど――ひとつ参考になりました。引き続き観戦を継続します」
まあ、納得してるんならそれでいいか。いまは他に追求すべきことがあるし。
俺は桜に向き直って、改めて質問する。
「桜、ちょっと聞きたいことが」
「せんぱいサッカーっていいですよねどこがいいかというとオフサイドだからですよオフサイドってなんだと言われるとよくわからないんですけどとにかくステキですよね」
「……」
……うん。こんなにうろたえてるんなら無理に詮索することもないかな。桜はこの家の平和を守るために黙ってくれてるんだろうし。
その後、セイバーはたびたび驚愕に顔を歪めて立ち上がったりした。そのたびに俺は拙い知識で説明をほどこし、桜がそれを補足するというカタチに落ち着いた。
その過程でわかったことは、セイバーは野球のルールを根本的なトコ以外はぜんっぜん知りやしないということだった。
「シロウ。彼はなぜ民間人に弾丸を射出しておいてあんなにも狂喜乱舞しているのですか」
「あれはホームランと言ってな」
「ホームランボールは貰ってもいいけど、ファールボールは係員の人に返しましょうね」
「シロウ。彼はなぜ弾丸をその身に受けておきながら、沈黙して塁上に移動するのです。……もしや奇襲ですか!?」
「違う。あれはデッドボールと言ってな」
「キヨハラ選手はデッドボールの日本記録を持ってるんですよねー。当てられすぎです」
「シロウ。やっぱり彼は敵の背後から奇襲を試みるべく塁を移動いたしました」
「奇襲じゃない。あれは盗塁と言ってな、スチールともいうんだが……セイバー、意地でも英語使わないつもりだろ」
「基本的に足が速い人の特権なんですが、たまに遅い人も盗塁するようベンチから命令が来ることもあります。……これだから上層部は」
とまあ、始終こんな調子であった。
結局、試合自体は4対0とかその辺りで巨人ツの皆さんが勝利した。セイバーは見るからにご機嫌ななめだが、気に入らないからといって暴れ出すほど理性を失ってもいなかった。野球に興味をもってからちょっとしか経ってないのが幸いしたのかもしれない。
桜を見れば、何か複雑な顔をしている。笑いたいのを堪えているような、そもそも笑うことを良しとしていないような――まあ俺には知る由もないが。
「シロウ。ジャイアンツが信奉する巨人とは誰を想定しているのですか」
「いや、知らないけど。そもそもモチーフになった巨人なんていないと思うぞ」
「……そうですか。ヘラクレスならば獅子をも断つ。獅子を奉る彼らが負ける要因があるとすれば、そこにしかないと思ったのですが」
く……。セイバーは唇を噛む。
しばらく沈黙が流れる。ビデオは止まることなく流れ、引き続き録画した第2試合を映し出そうとしていたので、俺は即座にビデオを停止させる。
なぜならば、この年の日本シリーズは読売巨人ツが情け容赦なく西武獅子ズを4連勝でひねり潰したからだ。4勝すればいい日本シリーズで、付け入る隙もなく4連勝をかっさらうのは凄いという他ない。
いくらセイバーでも、こう立て続けに獅子ズがあしらわれていると、藤ねえのように怨嗟の波動をぶちかまさないとも限らない。やっぱり被害を受けるのは俺なんだし。
で、沈黙を維持するのもセイバーなら、その沈黙を破るのもまたセイバーだった。
「……その、セイバー?」
「シロウ。私は決めました」
何を? いや聞く前から嫌な予感はしてるんだけど。
「私がライオンズを優勝に導きます」
……。
……やっぱりそうきたかー。
「セイバー。あのな」
「そして彼らの真なる獅子への愛を、他の戦闘球団に思い知らせてあげるとしましょう」
……あーだめだ。セイバーもはまってしまった。
テレビの前で応援するだけならまだしも、こうして特定の球団に思い入れを感じてしまったからには、もう後戻りはできない。ともかく、ある程度節度を守って行動してくれとは言いたいのだが、今日の遠坂なんかを見てると、とても節度ある行動をしてるようには思えない。
それに――
遠坂と同じように、セイバーも何かしらの伝説を冬木の地に刻み付けてしまいそうな気がして、俺は思わず目を瞑った。
……願わくば、桜が巨人ファンで、これ以上話がややこしくなりせんよーにと。
−幕−
・あとがき
この続きは、平行世界上での野球大会(全員参加)というカタチで実現すると思います。……でも本当に出来るかなー。みんな言うこと聞かなそうだしなー。
また、川相選手に含むところはありません。ただDonDokoDonの平畠さんに似ているだけです。
ここまで読んでくださったみなさま、もはや感謝のしようもございません。懲りずにまた書くことがあればよろしくお願いします。
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