- ■余談
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「四季さま、なんかお手紙が届いていますよー」 「あら、珍しいですね。どれどれ……『出張説教、希望』?」 「へ? なんですか、それ」 「私の説教が聞きたいので、足を運んで欲しいと、そういうことみたいです」 「あはは、悪戯ですね、そりゃ。四季さまが鵜呑みにしてノコノコと出てきたら笑ってやろうっていう、そんな性質の悪いやつ」 「そ、そうかしら」 「そうに決まってますよー。いやあ、底の浅い悪戯を考える奴もいるもんだ。いくら四季さまがお説教好きだからって、こんなのに引っかかるわけないっての。閻魔が嘘を見抜けなかったんじゃ、笑い話にもなりませんって。ねぇ?」 「え……ええ、もちろんですよ。ほら、小町、あなたはもう仕事に戻りなさい」 「へいへい。あーあ、お使いしたんだから、もうちょっと労ってくれてもいいのになあ」
「…………」 (ど、どうしましょう。向こうから説教してと請われたのなんて、初めてかもしれない。いつも煙たがられてばかりで、私もそういうものだと諦めてたのに。どうしよう、嬉しいな……そ、そうだ、なに着ていこうかしら――)
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架空の出張説教要請は、現地にてそのまま出張弾幕裁判に移行した。 なぜだか無闇にめかしこんだ四季映姫の、半べそかきながらレーザーを乱射する姿が、そこでは目撃されたという。
――と、あるいはそんな悲劇もあったのかもしれない。
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